アイメッセージ



アイメッセージの「アイ」とは「私」のことです。
これはアドラー心理学で使われる
「アイメッセージ・ユーメッセージ」という表現方法です。
「あなたは〜〜です。」という言い方をすると相手を責めたり、
非難したり、行動をかえさせたいという
指示をする言い方になります。

そこで「私は〜〜です。」「私が〜〜してほしい。」のように
「私は」を主語として、私がどう感じたかという言い方に
言いかえることで自分の思いを伝えるのです。
相手の言動によって自分がどう感じたのか、
相手に何をわかって欲しいのかを真直ぐに伝える効果があります。
これは教育現場でも友達との関わり方を変えていく手法としても使われます

アサーションで伝えられない、或いは伝えにくい場合は、
ほんの少し勇気を出してこのアイメッセージを使ってみましょう。


アイメッセージとユーメッセージの違いを具体的に考えてみましょう。




<ユーメッセージ>
あなたが夕飯いらないなら
どうして電話のひとつもかけてくれなかったの?」


<アイメッセージ>
「私は電話のひとつでもかけてもらえたら
余分に作らなくてすんだのに悲しかったわ」





<ユーメッセージ>
「(あなたは)何回言ったらわかるの!
ここを片付けてちょうだい」

<アイメッセージ>
「私はここを片付けてもらえたら
きれいになってとても助かるわ。」




アイメッセージでも間違った使い方があるので気をつけましょう。


1.偽りのアイメッセージ
悪口などを含んだメッセージに「私はこう思う」だけを付け加える。
相手を非難するメッセージにアイメッセージを付け加える。
「(お前が)あんなことをしたからこうなったんだと私は思う」

2.感情をぶつけてしまうアイメッセージ
ただ気に入らないから、という自分の感情だけでは
相手を非難していることにかわりはありません。
「私はあなたが宿題をしないから嫌いなの」


3.指示を含んだアイメッセージ
相手の考える余地がない。自分の都合だけで指示をしている。
「私は早く仕事に行きたいの、だからさっさとご飯を食べて頂戴」


どうですか
これを言われた人はどんな気分になると思いますか?
ただ単に自分の都合を押し付けているようにしか思えません。




アイメッセージの中にはまず
行動・影響・感情の3要素が入っているということが
しっかり伝えるポイントになります。


アイメッセージもアサーションと同じように相手を思いやる気持ちが大切です。
そのことを踏まえたうえで「私がどうしたいのか」
自分自身の行動やそれによってうけた影響や感情などを
うまく伝えることが出来るようになることが目的です。



人間は常に自分の存在価値を認めてもらいたいと心のどこかで思っています。
相手の行動を変えてもらいたい時は、指示をしたり非難するよりも
相手の自尊感情も大切にしながら
しっかり自分の気持ちを伝えるようにすると
素直に聞き入れてもらえるようになります。


先生に
「こんなこともわからんのか!」
と言われるのと
「ここまではわかったのね」と言ってもらえるのとでは
どちらが勉強をしたいと思えるでしょう。




基本は「愛」です。



アイメッセージの「アイ」は
「愛」メッセージ
と覚えましょう。




「あなたは〜」という言い方をしそうになった時、
「私は〜」思い出した時に是非使ってみてください。

相手も自分も不愉快な思いをしない話術を見につけたら
あなたの人生観も変るかもしれません。
そしてあなた自身についても
何か新しい発見があるかもしれません。