本当のあなたを生きていますか
〜あなたが演じている脚本とは〜

あなたは今どんな人生の筋書きを演じていますか。
それはあなたが本当に望んだ人生でしょうか。
その筋書きはいつ、どのようにして決めたのでしょうか。
交流分析では今あなたが演じている筋書きを「脚本」と呼んでいます。
脚本とは親やそれに代わる人からメッセージとして発せられ、
あなたが無意識のうちに自分の教訓のように身につけてしまったものです。

人生脚本のテーマとして、代表的な筋書きは次のようなものです。

勝利者として人生を終える。(自己実現して自分なりに納得できる筋書き)
敗北者として、人生を終える。(何でも責任転嫁したまま後悔だらけの筋書き)
破壊的な結末で人生を終える。
(人生半ばにして病に倒れ再起不能になる。精神障害で挫折する。
犯罪者になる。薬物などに依存する。自殺を考える。経済力を失う。
無為な日々を過ごす。)
この他にも・・・。
・人生の価値を見出すため探求や勉強を続け、
自己成長のために努力をする人。
・人をおしのけてでも地位や名誉を手に入れたい人。
・何もせず、ただ堂々めぐりのような毎日を繰り返している人。

人生の脚本は実にバラエティーに富んでいます。
まさに人それぞれで、人の数だけ脚本があります。
脚本には主人公、脇役などが登場し、配役も次から次へと
場面に応じて、役割交代を繰り返しながら、脚本が進行していきます。
そこで、この脚本を決めてしまった頃までさかのぼってみましょう。

人生早期、または幼児の頃には、親の愛情が絶対です。
親のもとでしか生きることが出来ません。
親を喜ばせたり愛情を失わないために、子供は親からのメッセージに順応して
どんな要求にも応えようとします。

親からのメッセージは必ずしも肯定的なメッセージばかりとは限りません。
その裏面に否定的なメッセージが隠されていたらどうでしょう。
それが言語的なものであっても非言語的なものであっても同じです。
幼児にも、それが肯定的なものか否定的なものかを判断できる心があります。
むしろ、そういうものを読み取る能力は純粋な子どもの方が敏感かもしれません。
感受性の強い子は特に、裏に隠された意図を読み取り、
そのメッセージに反応します。


親から発せられるメッセージで子供が慢性的な人生の悩みや
問題を抱えてしまうもとになるものを禁止令と呼びます。

  ★あなたが男(女)だったら良かったのに・・。(男・女であるな)
  ★男の子だから泣くんじゃないの!(感じるな)
  ★おまえさえいなければ・・・・(存在するな)
  ★あなたは何をやってもダメねー・・・。(重要であるな)

また、病気の時だけは親にかまってもらえる子供には、
健康じゃない方がいいんだ(健康であるな)、という禁止令が、
片親を早くになくした長男長女は、自分がしっかりしないといけないと思い込み、
いつまでも子供のように楽しんではいけないんだという
(子供であるな)(楽しむな)などの禁止令が。

好奇心が無視されるような家庭、
ある話題がタブーになっている家庭などでは(考えるな)などの禁止令が入ります。
肝心なところで失敗を繰り返す人には(成功するな)、
ワーカーホリックの人には(人生を楽しんではいけない)
怪我や事故ばかりする人(存在してはいけない)、
いつも恋愛がうまくいかない人には(信用してはいけない)、
なかなか結婚が出来ない人には(親から自立してはいけない)、
人の輪に入れない人には(所属するな)などの禁止令の影響が考えられます。

「いくたびも」式の脚本
成功を目前にしてもう少しのことろで失敗を繰り返す人
(見合いから婚約までうまくいっても土壇場で破談にしてしまうことを繰り返す。)
親から「私から自由になってはいけない」というメッセージを受け取っています。

「いつまでも」式の脚本
親の怒りをかって、いつまでもその罰からとかれない人
(麻薬中毒・非行・などの反社会的行動をとる。)
親から「言うことをきかないならいつまでもそうしていなさい」
というメッセージを受け取っています。


その他にも親の不用意な言葉により、
子供が、「そうか自分はそういう失敗をするんだ」「どうせ出来ないんだ」
「私さえ我慢すればいいんだ」「男(女)として生きよう」
「こんな思いをさせられて死んで復讐してやるんだ」
「愛していても結局捨てられるんだ」「私は病気かもしれない」
「思ったことを口に出さないで生きよう」「何も感じないようにしよう」・・・・、
などの考えを持つようになり、
それを拒絶することなく、受け入れて何らかの決断をしてしまうと
その人なりの脚本が形成されてゆくことになります。
そして自らが敷いたレールの上にのっかってしまい、
それを演じてしまう結果になっていくのです。


以下は禁止令の代表的なものでバーンはこれを
「魔女の呪い」ともいいました。
 禁止令(インジャンクション)

1) 存在してはいけない
2) 男(女)であってはいけない
3) 成長してはいけない
4) 愛して(信用して)はいけない
5) 健康であってはいけない
6) 考えてはいけない
7) 感じてはいけない
8) 楽しんではいけない
9) 属してはいけない
10) 重要であってはいけない
11) 成功してはいけない  
12) 子供のように楽しんではいけない





(Robert&Mary Goulding)


これらの人生早期に親から受け取ってしまった禁止令により、
自分の人生のおおまかな筋書きを決定づけてしまうことを幼児決断といい、
脚本は無意識のうちに破壊的脚本、または敗者の脚本へと進行していきます。


ちなみに子供の頃、養育者の間をたらいまわしされたマリリンモンローは
「人を愛してはいけない」の禁止令にその生涯を支配され、
劇的な人生を生き抜きました。
そしてアメリカのクリントン大統領が自分のことを
「アダルトチルドレンである」と告白したことは知られているところですが、
アダルトチルドレンを生み出す家庭の中に「話すな!」「考えるな!」
などの破壊的な行動を生む禁止令が入っていることは否めません。


まず自分の中にどんな禁止令が入っているか考えてみましょう。
もしそれがあなたにとって、好ましくない脚本だとしたら、
それに気づいたことで幼児決断から抜け出し、
再決断をすることによって、
新しい人生を構築することも可能です。

これは再決断療法と呼ばれているものです。
「大人になった自分はもう〜であってもいいんだ」
「親の言いなりにならなくても自分の意思で人生を生きてもいいんだ」
という自分の強い意志で自分を変えていく努力をしてみましょう。
もし「存在するな」など、自分の存在を否定するような禁止令を受け取り、
精神的に重く、また強く人生に影響を及ぼしていると考えられる場合は、
交流分析を習得しているカウンセラーに相談されることが望ましいと思います。

*交流分析(Transactional Analysis)は エリックバーンという
アメリカの精神科医が創案したわかりやすい精神分析です。