自我状態(心の中の5人家族)


ここでは自我状態について考えてみたいと思います。
これは交流分析というもので、1957年にエリックバーン(Eric Bane)によって創始された心理療法の一つです。
自分の自我状態を知ることによって自分の問題に気づき、自分を変えていこうとするものです。


心の中は5人家族です。
批判的で厳しいお父さん、優しい保護的なお母さん、
理論的で冷静な判断が出来るお兄さん、
自由で無邪気なやんちゃな坊や。 
従順で誰の言うこともよく聞くお姉さん。
この家族をイメージしながら5つの自我状態をみていきましょう。                                                             
この自我状態を知る方法としてエゴグラムというテストが使われます。
エゴグラムは50の質問に回答し、その得点をグラフに表します。
そのパターンから心のエネルギーのバランスをみていくものです。
(実際に心療内科などでも使われています。)


まずは、エゴグラムにチャレンジしてみましょうココをクリック






5つの自我状態>

CP (Crtical Parent)
父親的な自我状態で、厳しさや批判的な面

NP (Nurturing Parent)
母親的な自我状態で、優しさや保護的な面

A (Adalt)
大人の自我状態で、冷静で理性的な面

FC (Free Child)
自由な子供の自我状態で、本能や感情的な面

AC (Adapted Child)
順応する子供の自我状態で、従順で自己犠牲的な面



CP 批判的な父親
(Crtical Parent)

道徳的・正義感・理想・良心・権威
(非難・叱責・強制・偏見・権力・支配)

私はOK・あなたはOKでない

NP 保護的な母親
(NurturingParent)

保護・思いやり・共感的・優しさ・寛容
(過保護・過干渉・黙認・お節介)

私はOK
あなたもOK

A  大人
(Adalt)
知性・理性・コンピューター・冷静・分析 (事実中心・科学への盲進)

FC 自由な子供
(Free Child)
積極的・自由・天真爛漫・直観力
(無責任・我儘・自由奔放・傍若無人)

私はOK
あなたもOK

AC 順応する子供
(Adapted Child)

妥協・協調・我慢・慎重・イイ子
(消極的・自己犠牲・依存・)
私はOKでないあなたはOK
  )内はそれぞれの自我状態が否定的に働く場合です。
不適応や歪んだ性格をもたらします。


それぞれの私は、感情、思考、行動様式に一連した特徴があり、
これを「自我状態」と呼んでいます。
自我状態は外からの刺激に応じてこの中のどれかが反応します。
P(親の自我CP・NP)、A(大人の自我)・C(子供の自我FC・AC)の
3つのうちのどれが主導権を握っているかによって
行動パターンが変ってきます。
より良い人間関係を作り出すには、まずこの自我状態に気づくことから
始まります。
この自我状態に気づいていなかったり、これらのバランスが崩れると
色々な悩みや葛藤を生じることになります。
この心的エネルギーのバランスを知ることで、自己を分析し、
自分が本来望んでいるタイプとどこにズレが生じているのかに
気づくことが出来ます。



それぞれの自我状態のエネルギーの高低でとらえかたも変ってきます。
たとえば
CPが高いと厳しい、批判的、規則遵守、正義感が強い、道徳的。
低いととルーズ、いいかげん、おっとりしている。
NPが高いと優しい、保護的、過剰だと過保護で過干渉、おせっかい。
低いと優しさがなく冷たい人になります。
Aが高いと冷静沈着、理論的、物事を分析して考えることができますが、
それが機械的であまり感情を出さない人という印象を与えます。
低いと分析する能力に欠けるため行動がともないません。
FCが高いと自由奔放、開放的、付き合い上手で楽しい人。
低いと生真面目でジョーダンも通じないつまらない人になります。
ACが高いと自分が何でも我慢して人に合わせてしまうためストレスが
たまり、これが低いとまた頑固で融通のきかない人ということになって
しまうのです。
全体の心的エネルギーの量も個人によって変ってくるので、多い人も
いれば、少ない人もいます。
全体的に多い、或いは高い人はパワフルで人生において建設的な人で、
少なかったり、低い人は非建設的な生き方をしているといえるでしょう。


そこでどんな時にその自我状態を見ることが出来るのか、実際の例をで
考えてみましょう。
たとえば待ち合わせに相手が遅れて来ました。あなたなら、どんなふうに
対応するでしょう。遅れた人はFCで謝りました。

遅れた人 
   「ごめんなさーい。遅れちゃったあ。許して〜」<FC>

待たされた人の反応
  「時間が守れない人は最低よ!もうこれで帰るわ!!」<CP>
   「どうしたの?事故にでもあったかと心配したわ。無事で良かった」<NP>
   「急な用事でも出来たの?何時に会社を出たの?」<A>
   「もう〜、待ちくたびれちゃったわ。今日はあなたのおごりね。」<FC>
   「気にしないで。私も悪いの。場所を間違えたかと思ったわ。」<AC>


CPの高い人は約束が守られなかったことが許せません。
NPの高い人は相手のことをまず心配します。
Aの高い人は遅れた理由や状況を冷静に聞こうとします。
FCの高い人は遅れたことより、気軽にこれから楽しむことを考えます。
ACの高い人は相手のご機嫌を損ねないように何でも自分が悪いと言います。







ではそれを改善するには具体的にどうするか・・・。ということになります。

答えは簡単です。

極端に低いところを上げるための努力をするわけです。
たとえば・・・・



CPの低い人はちょっと自分に厳しくしてみたり、物事に批判的になってみる。

NPの低い人はみんなに親切にしてみたりボランティアなどに参加してみる。

Aの低い人は出来る限り分析して何でも理論づけて考えてみる。

FCの低い人は本能を優先し、趣味をみつけて自分が楽しむことを考えてみる。




ACの低い人は特に治す必要はありませんが、しいていえば
まわりに協調的になってみる。遠慮してみる・・・くらいですか
(ACは高くない方が心理的にラクだからです)
 



そして暫くして(この暫くには個人差があり様々ですが・・・。)
再びテストをしてみて変化があればOKです。


理想とする形はなだらかな山型ヘの字ですが
自分がどんなタイプを目標とするかによっても変ってきます。
あなたはどんなタイプの人になりたいでしょうか?